1999年12月に行われた不老不死へのアプローチトップへ戻る


[1999/12/19]他人の首:人の頭部の移植手術は実現可能か
[1999/12/16]長生きしたかったら。暇なときは目を閉じよう
[1999/12/01]ES細胞を移植することにより、損傷したラットの脊髄をちょっと回復させた。


1999/12/19
[13]他人の首:人の頭部の移植手術は実現可能か(())

ケース、ウェスタン・リザーブ大学のロバート・ホワイト医師のinterview

※1960〜70年代にかけて猿の頭部移植などを行った人らしい。natureやscienceにも何本も論文を載せているらしいので、それなりの科学者だと思うのだが。。

体の不自由な人の脳(頭部)を、別の脳死患者の体に移す事は十分ありうる。拒絶反応がむしろ少ないぐらいだ。
21世紀には脊髄を完全に縫合する技術が確立し、移植した脳は体を動かせるようになるだろう。
倫理的には猛反対が起こるだろう。しかし彼は「脳は人間の精神を物理的にしまっておく場所にすぎない。私がやろうとしているのは魂の移植だ。」だそうだ



移植の達人が言っているのだから、人の頭部の移植は脊髄の縫合以外は現在の技術で簡単に出来るのであろう。脊髄の縫合が人の手で出来るとは思わないが、もうしばらくすると出てくるだろう手術ロボットが可能にするだろうな。あとブラックジャック先生なら。。。。

とんでもなく細かくて複雑な神経を縫合するロボットを作るのは、感情を持ったロボットを作るよりずっと簡単だろう。

NewScientist
MSNジャーナル

1999/12/16
[11]長生きしたかったら。暇なときは目を閉じよう(Regulation of lifespan by sensory perception in Caenorthabditis elegans(Nature vol.42 p.804))

外界からの刺激を受け取れない線虫(C.elegans)の変異体は通常の線虫より2倍長生きする事が示された。

著者らは、外界からの刺激を受け取れない11種類の変異体を作製した。daf-19欠損変異体(毛が無い)、体節が欠損(che-2,che-3,osm-1,osm-5,osm-6)。繊毛のある体節が異常(che-3,che-11,daf-10)などなど。。。。

通常の線虫の平均寿命が18.8日なのに対して、che-2欠損体では26.8日、che-3欠損体では、平均37.5日も生きた。

著者らは、これらにより、自然界では餌の入手しやすさや、線虫の個体密度などにより寿命がコントロールされているのだろうと言っている。



細く長く生きてもつまらんね。太く長く生きなくちゃ。
でも活動量が少ない方が長生きするのはよく知られている。例えば、肉体労働者より、頭脳労働者の方が平均寿命が長いそうだ。
ヘレンケラーは長生きしたっけ?

1999/12/01
[10]ES細胞を移植することにより、損傷したラットの脊髄をちょっと回復させた。(Transplanted embryonic stem cells survive, differentiate and promote recovery in injured rat spinal cord(Nature Medicine vol.5 no.12 p.1410))

神経に分化したマウス胚性幹細胞(ES細胞)を損傷したラット脊髄に細胞移植した。(損傷9日後に)。形態観察してみると、2週間後には移植した細胞は生きて増殖しており、脊髄に存在する様々な細胞に分化していた(astrocyteやoligodendrocyte、neuronなど)。これらの細胞は移植部位から最大8mm離れた所まで移動しており、また移植を行ったマウスは、後ろ足で体重を支えるなどの回復が見られた。



脊髄はとっても大切だ、これが障害を受けるとカラダが動かなくなってしまう。別の記事で脊髄を外科的につないで戻してやる可能性を示したが、これは脊髄を構成している細胞を補充してやることにより、脊髄に自ら回復してもらう試みである。

実は以前から移植により脊髄を回復させる報告はたくさんある。今回、この人たちは別に全然新しくない。ただ流行のES細胞を用いたというのが新しいぐらいだろう。ところで、なんでマウスの細胞をラットに移植しているんだ?

関連リンク「光が見えてきた脊髄損傷の治療」(日経サイエンス1999年12月号)

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