2002年01月に行われた不老不死へのアプローチトップへ戻る


[2002/01/18]子供を作るのをあきらめれば寿命が伸びる?
[2002/01/07]胎児の段階の肝臓には様々な細胞になれる細胞が存在する
[2002/01/04]線虫をコエンザイムQを含まないエサで飼育すると寿命が延びる
[2002/01/04]ヒトに臓器を移植可能なブタが作られた。
[2002/01/03]ガンを抑制しすぎると寿命が短くなる


2002/01/18
[160]子供を作るのをあきらめれば寿命が伸びる?(Regulation of life-span by germ-line stem cells inCaenorhabditis elegans.(Science vol.294 no.5554 p.502-505))

子孫を残す事は、個体として多くのエネルギーを必要とし、個体の寿命を縮める。今回、研究者らは線虫から生殖に関わる細胞に変化する前駆細胞を除去することにより線虫の寿命が劇的に延びるを発見した。しかしこれらの効果は、実際に生殖に関わる細胞を除去しても得られなかった。
研究者らは生殖に関わる細胞が、ホルモンを作り出したりホルモンに反応したりすることによって寿命の長さに影響を与えているだろうと予想している。

論文中では「germ-line stem cells」と書いてある細胞がヒトでは何歳ぐらいの何細胞に当たるのかよくわかんないけど、若いうちにキン玉や子宮取っちゃえば長生きするんでしょうか?
あれ?でも成長ホルモンとか出してたような気が?
第二次性徴とかの子孫を残すためのカラダへの変化が負担が大きいのかな?
子供のまま、長生きしたいヒトはぜひ(^^;

2002/01/07
[174]胎児の段階の肝臓には様々な細胞になれる細胞が存在する(Clonal identification and characterization of self-renewing pluripotent stem cells in the developing liver(J. Cell Biology vol.156 no.1 p.173-184))

発生段階の肝臓の中には様々な細胞になりうる幹細胞が存在することが分かった。
筑波大学のTaniguchiらは生まれる前のマウスの肝臓より特殊な細胞を取り出した。これらの細胞はプレートの中で増殖しつつ、肝臓の細胞を生み出す。実際プレート上で増殖させたこれらの細胞を移植すると肝臓の細胞として機能することを確認した。
さらにこれらの細胞をすい臓や腸に移植するとすい臓や腸の細胞になり働くことを確認した。

発生段階の肝臓じゃあ、人に使うのは大変かも
中絶した胎児を細胞を回収しまくって幹細胞のコレクションを作れば、患者に免疫拒絶されない細胞が見つかれば移植に使えるかも。

近い将来、中絶が喜ばれたりしてね(^^;
さぁ、無謀な10代の若者がんばってください。

2002/01/04
[157]線虫をコエンザイムQを含まないエサで飼育すると寿命が延びる(Extension of life-span in Caenorhabditis elegans by a diet lacking Coenzyme Q(Science vol.295 p.120-123))

線虫をコエンザイムQを含まないエサで飼育することにより通常の場合より60%も寿命が延びることがわかった。以前def-2という遺伝子が欠損している線虫の寿命が延びることが報告されているが、コエンザイムQをエサから取り除く事で、def-2遺伝子が欠損している線虫の寿命がさらに延びることも分かった。コエンザイムQは細胞内でエネルギーを作り出すときに働いている脂質電子受容体である。コエンザイムQが無いことでエネルギー生産の副産物として作られる有害な活性酸素の出現が少なくなることがその原因ではないかと考えられる。または、コエンザイムQが無いことによるアンバランスな細胞内の状態が、加齢に影響を与える遺伝子の働きを変えているのかもしれない。

マウスやラットで、エサを少なくすると寿命が延びるが、これも活性酸素が減る事が原因と考えられている。Def-2という遺伝子は線虫の神経系で活性酸素を抑制する物質を邪魔している物質である。これら2つと同様にコエンザイムQを無くす事により活性酸素発生量を減らして寿命を延ばしているのだろう。

2002/01/04
[158]ヒトに臓器を移植可能なブタが作られた。(Clone pigs may help overcome rejection(Science vol.295 p.25-26))

ブタの臓器はヒトのものと似ており、ブタの臓器をヒトの治療に使おうという試みがなされている。しかしブタはある糖が細胞表面にくっついており、この糖はヒトには無いため、ブタの臓器をヒトに移植すると、この糖を異物として認識して急激な拒絶反応が起きる。今回、研究者らは、大きさがヒトに近いミニブタを遺伝子操作してこの糖を細胞表面に付加する酵素ガラクトシルトランスフェラーゼの遺伝子を持たないミニブタの作成に成功した。このブタの臓器はヒトに移植してもヒトからヒトへの移植程度の弱い拒絶反応しか起きないと考えれ、現在用いられている免疫抑制剤を使えばヒトに移植可能であると考えれる。

現在、免疫以外で問題となっているものに、ブタの遺伝子に含まれる未知のウイルスがヒトに移植された時に目覚めヒトに害をなすのでは無いかというのがある。
誰だ?そんなネガティブな事言っているヤツは?(笑

現在、再生医療の流れはブタなどに頼らずヒトの細胞を使って治療をしようという流れであるが、実現していないのに加えて実現してもかなりのコストがかかると予想される、このようなブタの臓器の移植は現実的な治療法として勧めていくべきである。

参考臓器移植用のクローンブタ誕生

2002/01/03
[156]ガンを抑制しすぎると寿命が短くなる(p53 mutant mice that display early aging-associated phenotypes(Nature vol.415 no.6867 p.45-53))

研究者らは、体内でガン抑制に働いている遺伝子p53を異常に活性化させたマウスを作り出した。作成されたマウスを予想通り、ガンの発生率が低かったが、平均寿命は通常のマウスより
20%短かった。また作り出したマウスは低体重、湾曲した背骨、もろい骨などの特徴を持っていた。またこれらのマウスは傷が直りにくかった。P53はこれまで異常を起こした細胞に自殺を命令することによりガンを抑制していると考えられてきたが、今回の結果はこのp53が老化にも関係することを示しており、研究者らは体内に存在し皮膚や、骨を補充している幹細胞がうまく働かなくなるのでは無いかと考えている。

バランスが大切らしい。このp53のような例は、他にも知られている、
たとえば、免疫機能が強い人はウイルスや細菌の感染、毒素などに強いが、逆に強すぎる免疫が自分の正常な細胞を攻撃してしまうリウマチなどの自己免疫疾患になりやすい。

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